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輪編みの編み方徹底図解 ホームへ
棒針を使った輪編み技法の図解です。歴史的輪編み技法の解説もあります。

1.4 棒針の構え方 - 垂直型・水平型

棒針の輪編みが難しい理由は2つあります。

1) 編む針の後ろが固定されているため、編み針が自由に動かせない。(「編み針」の動かし方)
2) 編む針につながっている針の先端が編む動作の邪魔になる。(「休み針」のさばき方)

このうち、1)が問題になるのは、とくに初心者に多いのですが、編む際に「編み針」を大きくこねるように動かす人です。平編みでこのような編み方をしている場合は、輪編みにすると「編み針」に「休み針」が繋がっているために針の動きが制約されますので、編みにくく、場合によっては全く編めなくなることがあります。この問題は基本的には、練習するしか解決方法がありません。つまりなるべく、編み針の動く距離や角度を小さくするようにして編む練習をすることです。このような編み方をすることは、輪編みのだけではなく平編みも含めた編む技術の向上になります。この際、上達の一ステップとして練習しましょう。

それに対して2)は純粋に輪編みだけの問題ですが、実は「休み針」をどのようにさばくかという問題と、1)の「編み針」の動かし方の問題は、は相関関係があります。ですから、どのようにさばくかを見通しをつけた上で編む練習をすると無駄がありません。何とか輪編みができるようになってから、休み針のさばき方がぎごちないのに気づいて、それを直そうとすると、また輪編みがうまくいかなくなる...というのでは繰り返しになってしまいます。

「休み針」のさばき方にはおそらく無数の方法があると思います。一口に輪編みといっても、靴下や手袋のような小物とセーターのような大物のサイズの違い、模様編みや編み込みの有無、フランス式とアメリカ式の違い、手の大きさの差、針の形状と長さ、ニッティングベルトなどの補助具の有無、などさまざまな要素があります。したがって、どのような場合にも絶対に正しいという手法はないのですが、私たちはまず、基本となる輪編みの仕方を「水平型」と「垂直型」の二種類に区分してみることにしました。

水平型

水平型
水平型の棒針配置

「休み針」をテーブルの上に置くか、どこかに引っ掛けて水平にします。「編み針」を二つ折りにする形で向こうに倒します。この形にすると、「編み針」を持つ手の小指の外側(下側)に「休み針」が来ます。「編み針」の動きもかなり自由に確保できますので、初心者でも比較的やさしく編める編み方です。ただ、編み出しと編み終わりがちょっと窮屈な感じになります。

垂直型

垂直型
垂直型の棒針配置

「休み針」を垂直に垂らします。「休み針」の上端は親指と人差し指の間を通り抜けます。親指の付け根で「休み針」を挟み、固定します。

この二種類の分類ははどちらか一方のみを使うということではなく、状況に応じて使い分けることも可能です。また無意識のうちにそうなります。例えば、セーターの首の部分を拾い目して輪編みするときなどは、水平型に近い編み方になります。逆に靴下のような小物の編み始めの段の場合、水平に保つことはなかなか難しいので垂直型の構えになります。この区分は便宜的なもので、それぞれの中でまた色々なバリエーションがあると思います。あくまでも基本形と考えてください。

なお「水平型」「垂直型」という用語を使っていますが、「垂直型」であっても、「休み針」が水平方向を向くことはあります。その場合は手の親指側が自分の方を向くことになります。結局、「編み針」と「休み針」の角度が鋭角なのが「水平型」で、鈍角なのが「垂直型」です。「鋭角型」「鈍角型」と呼んでもいいのでしょう。

色々と調べて見るとどうも歴史的には「垂直型」が輪編みの基本形のようです。これは、「水平型」がテーブルなどの支えを必要とするのに対して「垂直型」が何も必要とせず、立って編めるという決定的な利点があるためだと思います。しかし、テーブルが必要という事だけなら、現在趣味で編み物をする私たちには致命的な問題とはいえません。これについては、私たちも色々と考えて見ました。その結果、「垂直型」は他にも「水平型」よりも優れた点が多く、現在においてもやはり輪編みの基本形として、習得するべき技法ではないかと思うようになりました。

そこで、以下の説明では「垂直型」の輪編み技法を解説したいと思います。

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