更新履歴とよもやま話 ホームへ
ホームページの更新履歴と編物関係のさまざまな話題を取り上げます。

 2002年1月28日(月) 

このホームページのYahoo!登録コメントに「方眼紙」という単語が入っているので、Yahoo!で「方眼紙」を検索すると、私たちのページが結構上位に表示されます。そのせいか、「方眼紙」目当てで訪問される方がけっこういらっしゃるようです。

うまくアクロバットが起動しない方のためにホームページ上に仮作成したPDFファイルを整理していると、明らかに棒針編みには使えないようなファイルが散見されます。まぁ、100目×100段というのは、一ミリ方眼が欲しかったんだろうと想像がつきますが、25目×280段とかの妙な方眼紙はいったい誰が何のために必要だったんだろう?と首をひねります。もちろんどのように利用されても、こちらとしては一向に構わないんですが、編物を知らない人が、目数だの段数だのに当てはめながらまったく関係のない方眼紙を出力されているところを想像すると、なぜか不思議な気持ちになりますね。そのような方々が、ここを読んでいらっしゃるとも思えませんが、一言。

袖振り合うも他生の縁、よければこれをきっかけに編物もやってみてくださいね。(笑)

 2002年1月27日(日) 

編物クローズアップという項目を新設しました。ここでは、色々な技法や話題を細かく取り上げてみたいと思っています。トップを切って、二本の輪針で小さな輪編みを編むを追加しました。棒針による輪編みが苦手な方でも、靴下や手袋などの小物が編める、ありがたい技法です。残念なことに、同じ号数の輪針が二本ずつ必要なので、少々費用がかさみますけどね。棒針で輪編みを編むのが苦手な方は、とりあえず、号数が違っても構いませんから、二本の輪針を用意して一度この技法を試してみてください。

 2002年1月26日(土) 

英語の本を読んでいて、言語に対する感覚の違いを感じることがあります。昨日も子供用の編物本を読んでいたら、次のような文章が出てきました。

イラスト見てもよくわからない?きっと君は視覚的な人間じゃないんだね。そしたら文章だけを読んでごらん。それで理解できたら、もう一度実際にやってみながらイラストを見るんだ。そしたら、どのようにしたらいいか「見て」も理解できるよ。

う〜。日本では「百聞は一見に如かず」ということわざもあり、関西人は「見て分からんもんは聞いても分からん」というフレーズを何度となく耳にします。日本の子供向け編物本の一冊に「小・中学生の棒針編み教えて」(雄鶏社,1987)という本がありますが、これを開くとフルカラーの写真とかわいいイラストが満載!という感じです。逆に文字の説明など1・2行。文章が5行続くこともまれです。子供用に限らず、大人用の編物本でもそれほど文字数は多くありません。

ところが洋書では、10歳用という本でも文字・文字・文字、です。もちろん、子供用に漫画のようなイラストもありますが、正直あまりうまくありません。大人用の編物本でも、一般的にイラストはそう上手くありません。ハードカバーの本を開いて、汚くマジックで×を書いたようなチャートとか、デッサンのデの字もないような手のイラストを見ると、本当にこれで気にならないのかと、著者のかわりにこっちが驚いてしまいます。(もちろんすべての本がそうではありません。ヴォーグ社の本は綺麗な絵が多いようです。)

これで思い出すのが、コンピュータ科学者のドナルド・クヌースです。この人は、"The Art of Computer Programming"という著作で有名ですが、これは現在7巻を出版していて、まだ執筆中という大部の本です。クヌースはものすごくこだわる人で、最初にこの本の執筆を始めた頃は活版印刷だったのが途中でコンピュータ組版に変わったとき、本の見栄えが極めて落ちたこと、またクヌースは本の間違いに懸賞を出しているのですが、間違いの大部分がつまらない誤植であること、に腹を立てて、自分で組版ソフトTeXとフォント記述言語METAFONTを作ってしまいます。その開発に、なんと9年です。私たちもずいぶん以前にTeXを使ったことがありますが、その印字品位のすごさには度肝を抜かれたことを覚えています。(クヌースは、自分の国の活版印刷工が日本の印刷工のような技術を持っていればおそらくTeXは書かなかっただろうと日本の組版技術を絶賛していましたが。)

超大作の"The Art of Computer Programming"ですが、この本が文字ばかりで図がありません。驚くべきことにTeXという組版言語には画像を処理する機能がないのです。クヌースはSという文字ひとつを研究した"The Letter S"という本を執筆したほどのこだわりの人ですから、図が自分の著作に必要だとすればどれだけの時間がかかっても作図機能をTeXにつけたはずです。おそらく彼の完璧な著作に図解は必要ないものなのでしょう。

編物のパターンを表現するのに、日本は編図、アメリカ・ヨーロッパはテキストパターンを主に使いますが、これはもしかすると相当に根の深い文化の違いによるものかもしれません。日本は識字率の高さでは、世界で有数の国なんですけどねぇ。

★読売ゼロパソ2002 Vol.2 の「バレンタインデー&ホワイトデー大作戦」にこのホームページが掲載されました。(p.106)

 2002年1月24日(木) 

毛糸だま2002年春号の、柴田淳先生の電脳編物日記にこのホームページがとりあげられました。去年の春号にとりあげていただいてからちょうど一年になります。先日のアンケートでも、毛糸だまで私たちのホームページを知ったという方がたくさんいらっしゃいました。私たちのホームページは他にもさまざまな雑誌に掲載していただきましたが、アンケートでは、それらの雑誌から来た方は皆無でした。去年取り上げていただいたときは、あろうことかYahoo!に登録されたのと同じ日(去年の今日です)で、その翌々日にはYahoo!の「今日のオススメ」に取り上げられたので、アクセスは一挙に5倍〜25倍になって、もうわけが分からない状態でした。

去年の毛糸だまをめくってみると、去年の今頃は本当にコンテンツが少なかったですね。あの頃はホームページを作り出して4ヶ月に満たない割には頑張って、それなりに充実させてきたつもりでしたが、今振り返ってみると、よくあの状態で紹介していただけたり、登録していただけたものと恐縮です。来年の今頃は、もっともっとコンテンツを充実させたいですね。サーバの容量がだいぶきつくなってきましたけど。

柴田淳先生、どうもありがとうございました。これからのご活躍をお祈り申し上げます。

作り目(英語版)をアップしました。え、どうして急に?とお思いですか?それはちょっと内緒です〜。

 2002年1月20日(日) 

カリスマニッターEZ(4)

前回、EZのカリスマ的人気は、アメリカ人全体の精神的祖母の立場に立ったことにあるのではないかという想像をしましたが、この「祖母」という立場から必然的に帰結するようにEZの考え方には、反近代的な部分が濃厚にあります。EZはニッターズアルマナクの中で、「幾つかの恐ろしい結果を生み出した近代技術」なら別かもしれないが、編物に関して言えば、「有史以前からの素材を使って編物をしていると」果たして「本当に新しいと言えるものが一つでもあるのか」疑問を呈します。そして、人間の指には記憶があって、それに編物の技術が伝わっているのではないかと考えます。つまり、一見新しいものを生み出したように見えても、それは単に指の記憶がよみがえっただけではないかというのです。

これは、比喩ではありません。彼女は、ヴォーグ社にアランセーターを提供することになったとき、どのようにしてアランセーターを編んだらよいかまったく分からなかったそうです。そこで、EZはニッティングキャンプに行きます。つまり、大自然の中で編物をするのです。EZたち一行は、ミシシッピ川の近くにキャンプを張り、キャンプファイアや水泳を楽しみます。そして、初夏の完璧な一日、ミシシッピの波を感じながら一日中編物をしていたとき、彼女は突如白昼夢に襲われます。

(前略)それは本当の夢ではなく、私の指がどう編めばよいかをはっきりと分かっていて、長い時を越えて再び現れることが出来たことを喜ぶという、激しい情動でした。

このようにEZは、アランセーターの編み方を思い出します。同じように、彼女は手紡ぎの方法を誰にも教わらず、指の記憶を元に紡ぐことができたと語ります。

最初にこのあたりの文章を読んだとき、あまりにもオカルトチックで、何かの比喩を語っているのを、私たちの英語力が貧困なために読み間違っているのかと思いましたが、どう読んでもそうではなさそうです。私たちの目から見るとEZはシンプルなスタイルの中に確かな造形力を持ったデザイナーではないかと思うのですが、彼女にとってそれは個性ではなく、自分の体を通じた伝統の復活なのです。

近代科学に背を向けて、森の中で隠匿生活をするEZ。略号で編物を解説するのに嫌気が差して出版社を辞め、普通の英語で編物を語ろうとしたEZ。テレビのセットという虚像の自宅からメッセージを電波で発信するEZ。編物ビジネスを成功させ、実の娘メグ・スワンセンに後を継がせたEZ。自分の創造性を自ら否定し、その結果自らを遠い昔からの伝統編物技法を直接伝える預言者のような立場に祭り上げたEZ。アメリカ人ニッターの心に今も生き続ける、カリスマニッターEZ。その実像は、独創性と頑固さと不思議と矛盾に満ち、簡単なプロフィールを描かれることを今も拒否しているような感じがするのです。

 2002年1月17日(木) 

カリスマニッターEZ(3)

Elizabeth Zimmermann
1910年ロンドン郊外に生まれる。ドイツ・ミュンヘンおよびスイス・ローザンヌの芸術学校に通う。1937年アメリカに移住。1999年11月30日没。

EZのもうひとつの顔は利に長けた商売人です。すでに、1959年に出版社を設立しているところにも、ビジネスに対する積極性が感じられます。最もそのビジネス的性格が現れたエピソードは、米ヴォーグ誌にアランセーターを発表したとき、デザイン料を無料にする見返りに、その素材の提供先として自分のショップの連絡先を掲載したというものではないかと思います。これによって、ショップは大繁盛したということですから、先を見越す力・交渉力はたいしたものです。とにかく、アメリカでアランセーターが紹介されたのはこれが最初だっと言いますから、アメリカのニッターがどれほど熱中したかは想像に難くありません。

また、EZといえば輪針というほど、そのころ一般的でなかった輪針に対して積極的だったのですが、同時に使いやすい輪針を入荷して大々的に販売もしていました。

EZがアメリカで広く知られるきっかけになったのは、テレビ番組でした。友人の求めに応じて編物について語るという番組に出演したところ大評判となり、シリーズ化されました。これについても、EZは後にテレビ局ではなく自ら番組を制作しビデオを発売しています。このようなエピソードを追うと、常に抜け目がないという印象があります。EZはウィスコンシンの田舎で、周りを樹に囲まれた、廃校に静かな隠匿生活をしているお婆さん、というイメージがあります。これは、事実に基づいているのですが、このノスタルジックな印象をEZは番組中で、最大限に活用したようです。テレビ局には、家の居間・暖炉・飼い猫に至るまで再現されたEZの自宅のセットが作られましたし、後には実際に利用しているニッティングバスケットまで運びこまれたということです。

例えば、日本では、藁葺き屋根の家・小鮒の釣れる小川・水車・里山、といったような情景は、そのような場所に生まれたはずのない都会人でさえも懐かしい気持ちにさせる原風景ともいえる光景です。EZが提供したのは、Good Old Days を思い起こさせる原風景の中で、静かに編物を編むお婆さんという、アメリカ人全体のノスタルジーに深く訴えるイメージだったのではないかと思われます。このような風景の中から、物静かに語りかけてくる知的で美しいお婆さんの言葉に抗うことはそもそも難しかったのではないかと思われるほど、これはツボをついたイメージと言えるでしょう。

つまり、EZは自然にアメリカ人のグランドマザーになったのではなく、自ら意識してその立場に立とうとしたのではないかという気がします。アメリカ大統領は、アメリカ人全体の父性を代表していると言いますから、そのような行為自体は責められるべきではなく、むしろ晴れがましいと言っていいのかもわかりません。ただ、そこに商売が絡んでくるとき、なにかすっきりしないものを感じるのは、私たちが日本人だからなのでしょうか。

 2002年1月14日(月) 

チェック模様とかのこ編みのクッションカバーをアップしました。簡単なパターンの編み込みです。とてもシンプルで、色あわせも難しくないので、余り毛糸を使って編むこともできると思います。ただ、総編み込みですから、編むのには結構時間がかかります。この作品は、編み込みの練習にはぴったりだと思います。普通、セーターの総編み込みとなると、もっと細い糸で編む必要があるでしょうが、これくらいの太さの方が練習としてはふさわしいと思います。

 2002年1月6日(日) 

世界一速いニッターは誰かご存知でしょうか?ギネスブックに登録されている世界記録は、1980年にイギリスのGwen Mathewmanが記録した一分間に111目だそうです。どういう条件か分かりませんが、いかがでしょうか?わたしたちは、「え、そんなもの?」と感じました。もちろん物凄い速さですが、それでも1秒2目に満たないのです。1分間300目というような、「伝説じゃない?」というような信じられない速さではありません。

そう思うのは私たちだけではないようで、アメリカはこの世界記録を塗り替えようと今年の秋にコンペを実施するもようです。受けてたつイギリスも、負けてはならじと挑戦者を募集しています。イギリス手編み連合(BHKC)では、"Woman's Weekly"という雑誌の協力を得て、最速のニッターを募集しているようです。

アメリカのCraft Yarn Council議長の「イギリス人へ。我々はあなたを打ち負かすことができます。」という挑戦を受けて、世界最速のニッター探しにますます拍車がかかってきました。私たちはさらに最も速いかぎ針編みの編手も探しています。
私たちの以前のチャンピオン、Gwen Mathewmanは1980年に1分間に111目という恐るべき速度を達成し、ギネスブックに記録されるという栄光を勝ち取りました。Gwenは新しいチャレンジャーとしては十分ではないため、私たちはアメリカに対抗して「針対決」に挑戦する新しい才能の持ち主を探しています。この挑戦は2002年秋、アメリカで開催され、場所としてニューヨークが予定されています。

う〜ん。ライバル心むき出しという感じですね。ひとつ気になったのは、このコンペ、日本人は参加できないのかということです。以前、テレビ東京でアメリカのホットドック早食い競争に日本人が参加して、1〜3位を独占した場面を見ました。巨漢ぞろいのアメリカ人を小柄な日本人(しかも一人は女性)が早食いで打ち負かしたシーンは、一人の日本人として快哉を叫びたくなりました。同じように次のようなシーンがあれば...

編物の伝統国イギリスと、新興アメリカの一騎打ちと思われていたこの競技会に、東洋から参加したダークホースの日本人編田速子が、なみいる強敵を抑えて優勝!堂々世界チャンピョンに!

いや、ちょっと興奮しますね。われと思わん方はぜひチャレンジしてみてください。日本ヴォーグ社とか雄鶏社とかが募集して、日本からの挑戦者を選出したら、マジで結構いけるんではないかと思いますけどね〜。

 2002年1月5日(土) 

シンプルな帽子の中に裏メリヤス編みのリブ付ベレーをアップしました。かなり渋いツィード調の編地は他の形の帽子にも合いそうですので、また別の作品に使ってみたいと思います。写真を写すときに、ちょっと引っ張られてしまって頭頂部の膨らみがなくなってしまって、ツノがきつい感じに写っていますが、実際はもう少しふわっとかぶれます。

 2002年1月1日(火) 

新年明けましておめでとうございます。

去年は私たちが本格的にホームページを作成してから初めての編物シーズンでしたが、たくさんの方々に訪問していただきました。私たちのホームページを見て、「初めてのマフラー」や「初めての靴下」・「初めてのセーター」などを編んだという嬉しいメールもいっぱいいただきました。徹底図解は作品自体の何倍・何十倍の手間がかかるのですが、これからもオリジナルイラストを中心としたわかりやすい解説を心がけていきたいと思います。また、他にも色々な企画を用意していますので、どうぞよろしくお願いします。

新年第一号のコンテンツとして、シンプルなマフラーの中に縦ストライプのマフラーをアップしました。横に糸が渡らない編み込みは案外、知らない人が多い技法ですが、技術的に難しいことはありませんし、応用も広いのでこのマフラーあたりで練習してみてはいかがでしょうか。

昨日早速、オレンジ・茶・黄のストライプのマフラーを巻いて出かけましたが、胸元がすっきりとして合わせやすいマフラーでした。お好きな色あわせで一本作っておくと便利ですよ。

All About Japan の手芸→編物カテゴリに登録していただきました。

 
 
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