10年後の新伝説に驚く。ガーンジーの伝説(7)

前回「ガーンジーセーターの伝説(6)」を書いてから、10年が過ぎようとしている。

日本にもガーンジーがあった。ガーンジーの伝説(6)

10年前「ガーンジー」とは、日本で言えば「おばあちゃんの手編み」とでも呼ぶしかない「名無しのニット」なのだ、と書き終わったときは、もうこれから先「ガーンジー」は消えていくと思っていた。

ところが、気がつくと「ガーンジー」は復活していた。楽天市場で「ガンジーセーター」を検索すると、次々と商品がヒットする。ZOZOTOWNにも!目を疑うとはこのことだ。死ぬとの予測は見事に外れ、「ガンジーセーター」は、ファッションアイテムとして商品化されていたのだ。しかもそこには、数万円のプライス・タグが!

当然だが、手編み愛好家の目からすれば、機械編みの「なんちゃってガーンジー」である。「フェアアイル」や「アラン」の「伝統ニット」ブームのときはそれでも手編み製品があったのを思い返すと、やはり「遠い目」になってしまう。よくもコッテコテの機械編みセーターに「ガーンジー」を冠したもんだ。もうすこし手編み風にするとか、企業努力をしてもよかったのでは?いやあ、アッサリしてるなあ。いずれ、電力でなく人力で動かす編み機で作ったニットは「手編み」で通用する世の中になるかもしれない。まさか、すでにそうなのか?

こういう風に商業化が展開されるときは、かつて「フェアアイル」も「アラン」も、眉唾な伝説を全力で振りまいてきた。手編みセーター最後の砦「ガーンジー」だって無傷でいられるかどうか….

そこで、ちょっとググると、すぐにアタリがあった。これまでの伝説は、どちらかと言えば「盛る」伝説だった。歴史を数百年サバをよむとか、真っ白でも、フィッシャーマンの労働着ですとか、まだ理解できる範囲だった。ところが、今度の伝説は全然盛っていない。むしろ、価値を下げているとしか思えない。なんでこんな馬鹿な伝説を吹聴するんだろう?

【新伝説】ガンジーセーターには、裏表がない。

こちらの記事も人気です